2026/09/03 | カテゴリー:院長ブログ
こんにちは。
山梨県甲府市のいのうえ鍼灸整骨院です。
四十肩や五十肩
「名前は知っているけどどういうもの?」
「多分なったことがあるけどよく分からない」
「四十肩だと思うんですけど…」
と四十肩や五十肩という存在は認知している
ものの
実際どのような状態を指すのか
分からない方も多いかと思います。

本日は四十肩・五十肩とは何かについて
解説をしていきます。
〇四十肩・五十肩の概念
四十肩や五十肩とは
男女問わず40~50代で好発する
誘因なく発する
肩関節周辺の痛みと可動域制限を伴う
疾患です。
原因は明らかにはなっていませんが
老化に伴って肩関節を安定させる
腱板という筋肉が変性し
小さな傷が出来やすくなり、蓄積し
炎症を起こしやすくなります。
その炎症が周囲の組織にも伝播して
強い痛みを引き起こし
強い痛みによって動かせなくなり
周辺組織の関節包や滑液包炎といった部位が
線維化や肥厚、癒着を起こして
肩が挙がらなくなる、後ろに腕が回せなくなる
といった症状を引き起こすと考えられています。

ただし、四十肩・五十肩の原因は
完全には明らかになっていません。
加齢による組織の変化や炎症
関節包の拘縮など
さまざまな要因が関係すると考えられています。
肩周囲の様々な組織に炎症を起こすことから
四十肩・五十肩を
「肩関節周囲炎」とも言います。
他にも自身の身体を細菌やウイルスと間違えて
免疫の細胞が攻撃してしまう
免疫学的因子の関与も考えられています。
また、糖尿病患者はそうではない人と比べて
発生率がかなり高いということがわかっています。
20~30代にも発生することはありますが
若年であるほど速やかに回復する傾向があります。
痛み→拘縮
と進行していく疾患ですが
自然治癒することが見込めます。
期間としては6ヶ月から2年以内に
自然治癒するとされていますので
その治癒までの期間には個人差が大きいです。
〇四十肩・五十肩の病期分類
四十肩・五十肩には3つの病期があります。
肩関節周囲の組織に炎症を起こし
強い痛み、夜間痛、安静時痛等を伴う時期が
「炎症期・疼痛期」
一般にこの時期は数週間から数ヶ月で
非常に強い痛みを伴います。
炎症によって
腱板や滑液包炎、上腕二頭筋長頭腱といった組織に腫脹が認められることも多く
動かしても、動かさなくても
寝ていても痛いという状況となります。
この時期では
強い痛みによって肩が動かせないことで
肩の可動域の低下が認められます。

この時期には炎症を悪化させない為に
肩関節を無理に動かそうとせず
安静にして炎症を抑えることが優先です。
次に「拘縮期」
凍結肩などとも言われますが
四十肩・五十肩の特徴である
「拘縮」という状態を起こす時期です。
肩関節が凍結しているかのように
痛みがあってもなくても
どうしても一定の角度から動かせない
という時期になります。
この状態は
肩関節内にある
腱板や肩峰下滑液包などが癒着を起こし
滑走性が失われて起こります。
炎症による痛みはこの時期になると
比較的落ち着くため
安静時の痛みは軽減します。

夜間痛や動かす時の痛みは
持続することも多いです。
この期間からは
徐々に関節を動かしていくことが求められます。
コッドマン体操という
腕に重り等を持ち、その重さを利用して
振り子のように腕を動かす体操などから
始めていくことが推奨されます。
最後が「寛解期」や「解氷期」
と呼ばれる病期です。
この時期は
関節可動域が徐々に広がってくる時期です。
損傷していた組織が
修復される時期でもあります。
腱板や肩峰下滑液包の滑動性や
関節包の広がりも本来の機能を
徐々に取り戻していきます。

この時期に積極的に関節運動を行い
元々動いていた可動域まで
動かせるようにしていきます。
運動時には痛みを伴うこともありますが
安静時の痛みはほとんど消失します。
〇四十肩・五十肩の病態機序
概念の部分でも触れましたが
四十肩や五十肩の原因や発生機序は
明らかになってはいません。
老化、免疫、侵害刺激、血行障害など
様々な報告がありますので、
単一な原因ではなく、様々な要素が絡み合った
病態と考えられます。
実際MRIや超音波検査などで
四十肩・五十肩の病態には
肩関節周辺組織の退行性変性
腱板の損傷、微細断裂なども影響していることが
わかってきました。
また、肩関節周囲の
滑膜組織にほぼ全例で炎症が生じており
この炎症が肩峰下滑液包炎や腱板
上腕二頭筋長頭腱などに波及することで
疼痛期の痛みの引き金になると考えられています。

〇いのうえ鍼灸整骨院での四十肩・五十肩へのアプローチ・考え方
いのうえ鍼灸整骨院では
四十肩・五十肩の施術も行っております。
それぞれの病期に応じて
また、患者様の状態によって
行う施術は異なります。

炎症の強い時期には
炎症をなるべく早くとれるような
疼痛の軽減を優先した施術。
拘縮期や寛解期には
患者様の状態をみながら
関節可動域へのアプローチ
肩周囲筋肉へのアプローチ
肩周囲の安定性の獲得
胸郭や肩甲骨の可動性の獲得
運動療法

などを組み合わせながら
徐々に肩関節が動かせる状態を
目指します。
ただし、肩の痛みや可動域制限が
あるからといって
すべてが四十肩・五十肩とは限りません。
腱板断裂や石灰沈着性腱板炎
変形性肩関節症など
別の疾患が隠れている場合もあります。

そのため、症状や経過、検査所見などから
必要に応じて医療機関での検査を
おすすめする場合もあります。










